大人のバレエ上達倶楽部

基礎から変わる大人バレエコミュニティ

堕ちていく大人バレリーナ

こんにちは。

大人のバレエ上達サポーター、きよかです。

これは大人も子供もそうですが、

バレエの上達に欠かせないものが

やる気です。

そして、そのやる気を維持する力。

 

今回は、やる気を引き出す鍵と、

どうしたらモチベーション

だだ下がりな大人バレリーナに

なってしまうのかについて紹介していきます。

 

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やる気がないと、いくら本人に

素質があって、先生や外野が頑張っても

なかなか上達は出来ません。 

そして、いざやる気を出しても

それを継続的に持ち続けること、

つまりモチベーションの維持って

人間のDNAの構造上、

かなり難しいはずです。

 

せっかくやる気を出したのに

3日坊主になってしまったり、

いつの間にか弱気になって

出来ない気がして辞めてしまうんですよね。

 

 

 

ところで、私は大学で、

お年寄りの脳の発達について

研究していた時期があって、

これも大人にバレエを教えることに

可能性や意義を感じた

きっかけの一つでもあります。

 

お年寄りに出来るなら、

大人なら余裕でいけるなと

気付きました。

 

脳の働きって面白くて、

その一つに、

”意識した情報しか入らない”

という機能があります。

これを脳幹網様体賦活系

(のうかんもうようたいふかつけい)

別名RAS(ラス)と言います。

(テストはしないので名前は

覚えなくて大丈夫です!)

 

どんな機能かというと、例えば、

バレエを始めてから、街でよく

バレエを習ってるっぽい人を

目にするようになったり、

プリエを意識したら

意外と沢山のプリエが

バーだけでなく、センターでも

使われていることに気付いたり...

 

そんな感じで、この機能のおかげで

意識や興味がある物事の情報が

優先的に入ってきます。

逆に言えば、興味のない情報は入りません。

 

例えば、時計を例に出しても、

時刻を見る人、

色やデザインを見る人、

ブランドを見る人、と

人によって入れる情報は様々ですよね。

これが人間の脳の機能RASです。

 

以前、ワガノワバレエアカデミーの先生から

入学試験では、精神面もテストする

と聞いたのですが、

合格者達がこのRASを

上手に使っていることは

言うまでもありません。

情報を正しく取捨選択する能力って

絶対バレエに必要です。

 

 

さて、気付いた方もいらっしゃる

かもしれませんが、

悪いことに意識を向けると、

勿論、悪いことに関連付けられた情報が

どんどん入ってきます。

不安感って放っておくと、

どんどん募りますよね。

 

これがモチベーションを

かなり下げてしまいます。

 

 

なのですが、かと言って、

悪いことを見てはいけないとか

そういうことではなくて、

その瞬間、悪いと思っていたことも

結果的に良い経験や必要悪になっている

ことも多々あります。

なので、良いことに偏った情報を取り入れて

そのおかげで重要な情報を見逃して

ドカンと堕ちるよりは、

公平な目で見ることが大事かなと思います。

悪いことの後って、気づきを得て

世界や思考が拓けたりして

ターニングポイントであることも多いです。

 

ただ必要以上に堕ちることはないし、

それは止めるべきだなと思います。

 

なのである程度の堕ちる経験は

別に拒否するようなものではないのですが、

こういう負の連鎖って

必要以上に大きくなるのが厄介なところです。

 

 

良い堕ちと悪い堕ちの違いに、

どれだけ主観的か、ということがあります。

何か悪いことがあって一時的に

モチベーションが下がっても、

公平な目で長期的に見て、

以前お話しした、パラダイムシフト、

つまり新しい視点を取り入れる

きっかけになるなら、それは良い堕ち、

必要な堕ち、なのですが、

 

それが、どんどん主観的になって

認めてほしいとか、慰めてほしいとか

承認欲求で必要以上に自分を堕とし始めたら

これは、モチベーション暴落タイプです。

こうなるとなかなか自分で上がれません。

そしてこの問題点としては

一生、この堕ちを繰り返してしまう

可能性が高いことです。

これが悪い堕ちです。

 

 

 

少し長くなるので、

今日は大人バレエの”堕ちる”

の種類についてでした。

 

また次回続きをお話ししていきます!

音楽性の優れた踊りにならないワケ

こんにちは。

大人のバレエ上達サポーター、きよかです。

音楽とバレエは切っても切り離せませんよね。

バレエの芸術性を高める点で

よく言われることに、

踊りと音楽は共鳴していなければいけない

ということがあります。

踊りは音楽が具現化したものということですね。

つまり踊りとは”見える音楽”なんです。

 

そんな踊りと繋がりの深い音楽ですが、

ある一つの概念を間違えると

何となく変てこな踊りになってしまいます。

今回紹介する考え方を頭に入れておくと

踊りの崩し方も含め、踊りと音楽を共鳴させる

方法も分かってきます。

 

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音楽性を作る2つの要素

大人バレエで、機械的な踊り

になってしまったり

センターで自分の番のタイミングが

分からないっていう、

リズム感に関する相談をたまに受けます。

色々な要素があるのですが、

以前習っていたピアノの先生から

リズムと拍子の概念について

教えてもらったことがあります。

 

拍子とリズムって本来別ものなのですが、

特にリズムって多用されているので

この2つの違いは曖昧ですよね。

今回違いをはっきりさせておくと

リズム感の悩みのなぞも解けますし

後々、明確な意思を持っての

表現もしやすくなります。

 

 

 

そもそも、リズムというのは

ギリシャ語で”流れる”という意味で、

私たちの日常生活の中でも

とても非常に広い意味で使われています。

 

例えば、音楽や踊りの中でのリズムから、

生活のリズムとも使うように

リズムとは、広い意味での

「流れ」を表しているんですね。

 

 

このリズムとよく混同されるものに

拍子があります。

拍子とは、3拍子のワルツや、

2拍子、4拍子のタンゴのように

厳格に決められた時間単位のことです。

4拍子のワルツは存在しません。

 

そして無拍子、

つまり決まった拍子の無い音楽

(特に現代音楽や東洋やアフリカの民族音楽)

も存在しますが、

無リズムの音楽は存在しません。

リズムとは、流れのことなので、

無拍子であれ、音が流れている

ということは、必ずリズムがあるんです。

 

拍子=規則的なカウント

リズム=流れ 

 

機械的な踊りの音楽性を高めるには?

ちょっとややこしいかもしれませんが、

大人バレエで踊りを”見える音楽”にするために

簡潔に何をするべきかというと、

「拍子は変えずに、リズムをアレンジしていく」

という作業です。

 

イメージ的に、拍子が顔の輪郭だとしたら、

リズムは目や口などのパーツみたいな感じで、

決まった輪郭の中の目や口に表情をつけて

踊りにアレンジを加えていく作業が

リズム感や音楽性として目に見えます。

 

 

リズム感が無いとか

音の取り方が分からないと

相談に来られる大人バレリーナがいますが、

大体の場合、このリズムと拍子を

混同してしまっていて

それが悩みに繋がっています。

 

例えば、いつの間にか

自分で拍子を変えてしまっていて

ワルツがワルツでなくなっていたり、

他にも、小さい子にありがちな、

”1・2・3”って機械的な動きになって

リズム感がなくなったりしてしまいます。

 

前者は拍子を変えると同時に

リズムも崩壊してしまっていて

リズム感がなくなるし、

後者のように拍子とリズムを一緒にすると

この場合もリズムの流れ的要素が崩壊しているので、

リズム感がなく見えてしまいます。

 

 

拍子は変えず、無視せず、

でも拍子につられ過ぎず、

リズム=流れを作っていきます。

輪唱するみたいな感じに少し近いかもしれません。

元となる音を聞きながら、

そこに上手い具合に被せていきます。

元の音を聞かずに好き勝手に歌っても

元の音と一緒に歌ってしまっても

美しくないんです。

 

 

そして、センターでグループごとに踊る時

どこで入ったら良いか分からなくなる

って悩みもたまに聞きますが、

これは、拍子の方を取りさえすれば大丈夫です。

ほとんどの場合、分からなくなるのは

前のグループのリズムに惑わされているからです。

 

 

リズムと違って、

拍子は決まった時間単位なので

数えていれば、いつも同じです。

12カウントの振りが、

急に7カウントになったり

15カウントになったりはしないので、

リズムに惑わされず、

ただ拍子を取って数えてみると

どこから自分の番なのか分かります。

 

 

 

踊りの中の拍子やリズムって

感覚的なものなので、

文字にすると少しややこしく聞こえますが、

拍子とリズムの違いを

自分で説明できるだけでも

少し変化球の6拍子とかがきても

戸惑うことが少なくなりますし

なにより踊りを、見える音楽へと

昇華させやすくなります。

賢い大人バレリーナの弱点

こんにちは。

大人のバレエ上達サポーター、きよかです。

 

大人でバレエをしている人には

頭が良い人が多いなぁといつも思います。

以前、バレエに関係ない友人から

たまたまそういう人が一時集まったんじゃない?

と言われましたが、

いや、平均的に見て生徒さん達頭良いです。

 

IQが高い大人がバレエをしているのか...

大人がバレエをしていたらIQが高くなるのか...

この2つの仮説は並存していて、

グルグル永遠に回り続けそうです。笑

 

今回は賢い大人バレリーナに焦点を当てて

意外と頭の良い人にありがちな「弱点」と

その解消法について紹介していきます。

 

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そんなわけで私は普段、

頭が良い人と接する機会が多いのですが、

そこで、まず感じるのは、

みんな全体をつかむのが早い

っていうことです。

 

踊ることが好き!楽しく踊りたい!

とは言っても、

バレエには色々ルールがあって

ただ楽しく踊るだけでは

バレエになり得ないんだと

早い段階で理解します。

 

楽しむなということではなくて、

勿論楽しめるのが第一ですが、

ただ楽しいだけの時って、

大体バレエにおけるルール違反

しちゃってるんですよ。

例えば、姿勢が崩れちゃってたり、

つま先伸ばすこと忘れて足首直角だったり。

そういう踊りって”バレエ風”ではあるけど

バレエでは無いなと気付くスピードが早いです。

 

そこで、こんなルールがあるんだ、

ここにも注意があるんだ、って

気付くし、注意も払ってくれるし、

しかも自分できちんと課題に取り組み

上達を先生任せにするのでもないし

いわゆる、優等生達なわけです。

 

そういう頭が良い人達を見てきて

よくみんなが陥ってしまうことに、

あと一歩、タイミングが使えない

ということがあります。

 

情報処理能力が高いので、

バレエが難しすぎることが分かっていて

意識のどこかで、

何となく尻込みしてしまいます。

 

知識を入れれば入れるほど

頭のどこかで出来ない気がしてきて

躊躇してしまう感じです。

 

 

技をきめるのにタイミングが重要なものに

回転やジャンプがあります。

ここに顕著に苦手意識が出ることがあって、

尻込みすると、なかなか出来ないからなんです。

 

力任せに回ろう、飛ぼう

としても逆効果だし危険なのですが

タイミングを逃すのも

意外と危険だったりします。

丁度サーフィンみたいに、

下手に立とうとしても、

タイミングを逃しても、

どちらも波に飲まれます。 

 

頭の良い人は、そもそも一か八か

でレッスン受けていないはずなので

その点での危険性はありません。

もう少しタイミングに乗ってみても大丈夫です!

 

絶対に無意識に自分を抑制するので

あと一歩くらい自分を押してみた方が逆に

タイミングの感覚を掴む助けになったりします。

 

 

本来、回転やジャンプって

タイミングに乗れば力は必要なくて、

反対に拍子抜けするくらい軽い感覚なのですが

頭の良い大人バレリーナは

飛ばなきゃ、回らなきゃ、

っていうのと、それに付随する注意点が

必要以上に頭上にドーンとのしかかってきて

タイミングを逃しちゃってるなぁと感じます。

 

  

昔バレエ教室で、コンクールに向けて

バヤデールのガムザッティを

練習している友人がいました。

彼女はテクニックもあって、頭も良いけれど

それ故の、踊りの鈍さみたいなものがあって

要するにタイミングを逃していたんですよ。

そうしたら、ロシアから来た講師の先生から、

「自分で雑だと思うくらい

少し大げさに踊りなさい。」

とアドバイスをもらっていました。

 

一つ一つ丁寧に出来上がっているので

雑に踊ってみても、全然雑ではなくて

むしろ、そっちの方がタイミングに乗れていて

何倍も良い踊りになっていました。

頭が良いので、一度タイミングが分かれば

その再現性も高く、コンクールでは賞を取りました。

 

その”雑”というのが、どういう解釈で

どこまで大人バレエに取り入れられるべきか

という点もありますが、こんなこともあるんだ

くらいに覚えておいても良いかなと思います。

 

 

 

大人バレエ上達の上で、大局的な視点で、

バレエの全体像を掴むことは必須ですが、

具体的な視点で、どこをもう一歩押したら

良い踊りになるか見極めるのも同じくらい大切です。

 

今回はその一例として、”タイミングに乗る”

というポイントでした。

 

頭の良い人は、

対局的な視点と具体的な視点を

上手い具合に行き来できるとかなり強いですね。

3種類の大人バレリーナ

こんにちは。

大人のバレエ上達サポーター、きよかです。

世の中には色々な法則が存在していますが、

大人バレエの上達に関しても当てはまる

ある法則があります。

そして、その大人バレリーナも

大きく3種類に分けられます。 

今回はそれらについて少し解説していきます。

 

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大人バレエの上達法則

たまにふと鏡を見て、

不思議な気持ちになることがあります。

自分の存在が面白いというか、

奇妙というか、

この体に、この心が宿って

この世に存在して、

身体活動をし、精神活動をし

生きているんだなと思うと、

何か心地よい責任感があります。

 

 

まぁごく当たり前のことなのですが、

一人の人間として物理的に存在して

社会生活の中で

ある程度の制約はあるとは言え、

肉体的にも精神的にも他人からは独立していて

自由なわけです。

 

 

小さい頃、バレエのレッスン中

先生はよく

「誰も代わりにやってくれません。

頑張るのは自分です。」

と言っていました。

 

結局バレエが上手くなりたくて、

頭を使って、体を使って

上達に向けて行動できるのは自分だよね。

っていう話なのですが、

分かっているようで、

これがなかなか難しいんですよね。

自由と責任の使い方を

小さい子によく教えてくれたなと思います。

 

 

物事が上達したり成功したりする人には、

ある法則があります。

”8:2の法則”というのですが、

この比率は、世の中8割の人は、

何もしないか、精神活動(勉強)

までで止まってしまって、

残りの2割の人だけが、

精神活動+身体活動(行動)

まで行っているというものです。

つまり、行動まで出来る人は

全体の2割に過ぎないっていうことです。

 

物事が上達したり成功したり出来る人

というのは、言うまでも無く

2割の方です。

 

3種類の大人バレリーナ

福沢諭吉の「学問のすゝめ」の中でも

約150年前の明治維新当時の日本人に

学びを実際の行動にまで移せる人が

どれだけ少ないことか、

ということについて度々触れています。

 

日本人を大きく3種類に分けると

 

1)そもそも活動意志のない人

2)精神活動まではする人

3)精神活動と身体活動をする人

 

当時は、封建時代がやっと終わり

ほとんどの人が1)で、

学ぶ気も行動する気も(正しくは、

そういう概念が)ありませんでした。

なので日本発展のために3)を

目指しましょうと言っているのですが、

情報社会の現代では、

1)の人口は減ったものの、

中間層の2)と、

2)と3)の間の、2’)のような人が、

かなり増えていると思います。

2')とは、いわゆる3日坊主や、

情報を得て少し試しただけで

行動した気になってしまう人のことです。

この傾向は日本人に限ったことでは

無いなぁと思います。

3)に関しては、明治維新当時も、

現在も、極々少数であることに

変わりはありません。

 

 

私も8:2の法則では、8に

1)~3)の中では2)や、2’)

をウロウロしていた過去がありました。

特に小さい頃は、大体の子供の例に漏れず

サボりだったので、

チョロッと練習して満足していました。

しかも、もし今聞けるとしたら、

自分のことを2割の方であり、

3)の人間であると評価したと思います。

全く行動に移していないわけでは無く

少しは練習していたので、

そう思ってしまうんですよね。

  

かのスベトラーナ・ザハロワも

練習嫌いだったけれど、

ワガノワに編入してから

最後の1~2年は一生懸命練習に励んだと

インタビューで言っていました。

(最後の1~2年って。笑)

あれだけ素質に恵まれても

みっちり練習に励むわけですから。

 

 

 

私たちは一人一人自由な存在であるので、

身体や精神の使い方は自分で選択できます。

 

でもこの法則を知ったからには

まだまだ人手不足の

2割であり、3)の人間になってみるのも

面白いかなぁと思います!

〇〇るテストで大人バレエ上達

こんにちは。

大人のバレエ上達サポーター、きよかです。

さて表現力強化月間で”視点を変える”

という話をしているのですが、

それについて今日は技術面でも使える

大人バレエの早く確実な上達法について

紹介していきます。

 

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〇〇るテスト=大人バレエ上達

私たちは普段、生活の中で

仕事に家事に趣味に

忙しく過ごしているわけですが、

そこでマルチタスクに

色々こなすことが要求されます。

複数の家事を同時進行させたり

そうしないと生活成り立ちませんからね。

 

なのですが、バレエにおいても

日常生活の延長線上でレッスンすると

微妙な感じで止まってしまいます。

 

 

どういうことかと言うと、

バレエの動きって非日常の連続なので

先生から沢山の注意をもらうはずです。

そして、全部覚えて

一生懸命応えようとするのですが

注意を覚えておくことに注意を払うと

どんなに記憶力の良い人でも

エネルギーの一部がどうしても

注意を記憶しておく方に取られてしまいます。

最初のうち、注意を払わなければ

いけないことが多い場合は特にです。

そして、肝心の注意自体に対する

反応が鈍ってしまいます。

 

注意って最終的には

出来るようになりたいものなのに

なんだか、あまり出来るように

なっていない気もしてきます。

 

 

これってテスト勉強も同じで、

テスト前夜、全教科を勉強しようと思ったら

教科ごとに記憶をリフレッシュしたり

どの教科のどこを勉強するべきか

計画を立てたりしているうちに

実際の勉強に使える時間って

意外と減ってきますよね。

エネルギーが準備段階でかなり使われて

 

結局、全体的にそこそこの点数

止まりになってしまいます。

 


まんべんなく全てやろうとすると、

力が分散されて、

結局本来の目的に使える

エネルギーが限られてしまいます。

 

 

そこで、テスト前によく

「歴史は捨てた。」とか

「英語は捨てた。」とか

言いますよね。笑

捨てた方が、最終的には

目的到達に対するエネルギー効率が上がります。

猛勉強した教科の点数上がりますよね。

 

 

それをテスト前の土壇場じゃ無くて

日頃からやっておくことで

あれもこれもとエネルギーを分散させて

全部まぁまぁの出来にするより、

どこに焦点を当てるか決めて

一時的に後をバッサリ捨てた方が

結果、早く、確実に上達します。

 

 

ずっとまぁまぁの出来でいるのって疲れますし、

そのおかげでバレエに行くモチベーションの維持に

エネルギーを使わないといけなくなったりして

本来の目的である上達が

更にハードル高くなってしまいます。

 

 

 ローザンヌバレエの上達法

以前少しお話ししましたが、

ローザンヌ国際バレエコンクールで

講師をしている先生の個人レッスンを

受けていたことがあって、

当たり前ですが、ものすごく要求が高くて

注意も沢山あるわけです。

 

先生がどうしたい、私がどうしたい

っていう役作りがまずあって、

そこに向けた注意が沢山あります。

全部出来るようになりたいので

その時何をするかというと、

もらった注意で全体像を組み立てて、

それを念頭に置いて

細部を一つずつ潰していくことです。

 

最初は自分でも大丈夫なのかって思うほど

納得いかない出来なんですけれど

注意の一つ一つが、

ある程度出来るまで身についてきて

パズルピースみたいにはまっていくと

自然と全体的にかなりレベルアップしてます。

 

 

こうやって細部を固める作業をすると

最初は後退してるようにさえ

思えるかもしれませんが、

一時的に後退することが

後々大きな前進に繋がることが

段々理解できるようになってきます。 

 

 

コンクールのレッスンなんて、

最初の、”舞台に歩いて出て来てポーズ”

までだけを永遠と練習したりします。

 

そんなもんなんです。バレエって。笑

 

 

今までもらった先生からの注意は

それを一気にやろうとするのではなくて

全体像を掴むために使って

その中でどれに焦点を当てるか決めます。

 

そして一先ず後はバッサリ捨てます。

 

最初はこの捨てる部分が難しいのですが

勿論捨てることが目的では無くて、

最終的に全て統合させて、レベルアップし、

更には、より高度な注意に目を向けられるように

することが目的ですし、

捨てることによって上達が早まる感覚が

分かってきたら捨てる恐怖より

捨てない恐怖の方が大きいです。

 

 

例えばプリエ一つとっても

注意点は色々あるはずです。

それで全体像を組み立てて、

レッスン中ひたすら最良のプリエをしてみる。


この例で見ると、プリエの質が

確実に伸びるだけではなく、

色々な場面にプリエが

組み込まれている発見もあるし

その知識や技術が生かされて

別のパも勝手にスタートラインが

上がったところから習得に進めます。 

 

 

大人バレエのタイムリミット

こんにちは。

大人のバレエ上達サポーター、きよかです。

前回は表現力強化月間として

”視点を変える”というお話をしました。

今日も、その流れで

いつの間にか忘れてしまう

大人バレエの「タイムリミット」について

お話していきます。

これ一つ頭に入れておくだけで

踊りの質が格段に変化します。

 

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美の本質の〇〇

少し不謹慎だし、誤解を覚悟で言うと

私は父が亡くなって良かったと思っています。

大好きだからこそ、そういう結論になるのだと

共感して下さる方もいるかもしれません。

 

詳しく説明すると長くなるので

その一つをさらっとお話しすると、

父の死が良かったなと思う理由の一つに

幼い内に、人生は有限であって、

実は一人一人が有限会社の

社長みたいなものであることが

実感できたということがあります。

 

タイムリミットがあるからこそ、

自分の人生、主体的に生きられる。

というか、そう生きるべきなんだ。

と身近な死から理解しました。

 

 

普段、目に見えず、実体を持たない

「時間」について、

その価値の大きさを

忘れてしまいがちですが、 

時間の価値の元は、

働いたらもらえるお金みたいに

物理的に増やせない点です。

(健康に気をつけて生活するとかは出来ますが、

与えられたもの以上には生み出せません。)

そして問題点は、増やせないのに、

大抵は、もう無くなるギリギリまで

その価値の大きさに気づけない点です。

 

例えば、世界一の大富豪が、

明日死ぬとします。

もし仮に、全財産と引き換えに、

誰かからその人の人生の1年を、

譲り受けられるとしたら、

大富豪は全財産を投げうってでも

1年の延命を望むはずです。

(若者は時間の価値を

過小評価していることが多いので

若い人に頼むべきかなと思います。)

  

 

ロンドンの作家、G. K. チェスタトンが、

”何かを愛するには、

それを失う可能性を実感すればよい。”

という言葉を遺していますが、

日本人も ”もののあはれ” 

という伝統的な意識にあるように、

時間の価値やタイムリミットについては

本質まで、よく理解していました。

 

でも今の社会が盲目的に

生き急ぐ者を良しとするので、

結果的にそういう概念を

忘れることが増えたと思います。

 

別に忙しいのが悪いとか

のんびりが支持されるべき

とかではなくて、

タイムリミットの概念の

入る余地の無い現代社会って

大人バレエの芸術性を高めようと思ったら

少し難しい時代だなと思います。

それが芸術的な美の本質でもあるからです。

 

美しいシャンジュマン

タイムリミットって

嫌な響きに聞こえる時もありますが

それが世の中に無かったら

誰も何もしなくなりますよね。笑

 

根本的に、そういう世の中に

意味があるのか、

っていう疑問さえ出てきます。

 

 

大人バレエをしていたら

タイムリミットの壁にぶち当たることも

少なからずあるはずです。

だからと言って、生き急げ、とか、

逆に年をとったら踊るべきではない、

とか、そういうことではなくて、

急ぐ、急がない、

諦める、諦めないに囚われず、

ただ人生にはタイムリミットがあることを

頭の片隅に置いてレッスンに励んだら

より本質的な美に近い踊りになります。

 

 

バテバテになって、自分との戦い!

なことが多いシャンジュマンですが、

クラス中、生徒さん達に

テクニック的なことにプラスアルファで

タイムリミットについて少し話すと、

バテることも自分と戦うことも超えて

みんな自然と輝いてくるんです。

飛ぶというか、踏み締めてる感じなんですね。

良い意味でですよ。笑


こういう時、

生徒さん達を本質から輝かせられる

タイムリミットって

素晴らしいなと思います。

 

 

現代では、タイムリミットについて

どちらかというと悪い面の方に

焦点を当てられがちで、

確かに忘れて生きていると

突然焦る結末になるかもしれません。

 

でもタイムリミットの

「芸術性の可能性」という視点で見ると

大人バレエでタイムリミットを

上手く使っていかない手はないなと

いつも思います。

ボリショイバレエ ≧ 大人バレエ

こんにちは。大人のバレエ上達サポーター、きよかです。

カナダに戻ってきてから、

時差ぼけが戻ったと思ったら

休んでいた分の仕事が押し寄せ

バタバタ過ごしていました。

新しい生徒さんとの出会いもあり

やる気に燃えている初夏です!

 

さて、今日は前回、前々回に続き

更にもう一つ、表現力を強化する方法

を紹介していきます。

表現力強化月間です!

ブログの更新が追いつかず

月間の枠からはみ出てますが。苦笑

 

結局、人を感動させられるのって、

すごい技術より、表現力だと思います。

 

春夏にガーッと新しい表現を開拓して

出無精になる秋冬に、

それらを熟成させる感じですね。

 

表現力強化月間記事 vol.1

blog.kiyoka-ballet-club.com

 

表現力強化月間記事 vol.2

blog.kiyoka-ballet-club.com

 

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これから大人バレエ上達には良い季節です。

ワガノワも夏が一番の頑張り時だと

言っていたそうです。

冬に比べて、体がすぐ温まるし

筋肉も柔軟になるので、

ウォームアップの時間を短縮できて

実練習に割ける時間が増えるからです。

(とは言っても、大人バレエに油断は大敵ですが。)

 

この機会に私たちは脳もより柔軟にして、

表現力も一緒に強化していきましょう!

豊かな表現力が大人バレエの

最大の強みの一つですから!

 

ということで、今回紹介するのは

表現力アップの要である、

”パラダイムシフト”のお話です。

言い換えれば、視点の変換ですね。

 

 ボリショイバレエダンサーに親近感

カナダでは、ベビーシッター文化が

一般家庭にも普及していて、

中学生頃の初めての仕事が

近所での子守りだったりします。

 

 

そんな感じで、私もベビーシッターを

していたことがあるのですが、

 

自分でも怖いほど沢山の

仕事依頼があちこちから来て

一時期バレエに行く体力が無くなるほど

がっつり子守りしていた時期がありました。

 

普通は両親がお出かけする数時間位なのに

私は朝から晩まで子守りということも多々あり。

どうやら、赤の他人に

我が子を預けるのは怖い親御さん達が

私を紹介し合ってくれていたみたいです。

そして数十人の子供たちの

お世話をさせてもらいました。

 

 

そんな経験があるので、

ボリショイの「眠りの森の美女」を観ていた時

子守り経験者のパラダイムで

乳母役を見るんですよね。

 

そうしたら、全然成ってないんですよ!笑

奇襲とは言え、悪役のカラボスが来た時、

普通の乳母なら命を張って

一国の姫である赤ちゃんを守りますよね。

でも私が見た乳母たちは

ただベビーベッドの前を

右往左往しているだけで...

ちょっと笑えました。

全体として素晴らしいことは

言うまでもありませんが、

隙の無いイメージのボリショイに

少し親近感が湧きました。

 

こんなこと、子守りや

子育て経験者じゃないと

ほぼ気付かないと思います。

 

ボリショイの乳母役を

パラダイムシフトを極めた

日本の大人バレリーナが務めてみたら

「ボリショイバレエ ≧ 大人バレエ」

の式も成り立つかもしれません。

 

表現に個性がない

そうやって視点を変えることって 

大人バレエを習得する上でかなり重要で、

なぜかと言うと

視点によって入る情報が全然違うし、

更に言うと、

視点を変えないと入り得ない

情報って沢山あるからです。

 

前々回の記事で紹介した

役や踊りを掘り下げる作業も、

”どの視点で掘り下げていくか”によって、

全然違うものが出来上がります。

  

 

バレリーナも役に対して

独自のストーリーを持っていて

インタビュー記事とかでよく

「私はオデットって〇〇だと思うんです。」

とかって紹介されていますよね。

 

私が覚えているのは、

アニエス・ルテストゥが

引退前にジゼルを踊った時、

インタビューで、

「ジゼルがアルブレヒトを

好きになるのは、

実はジゼルは貴族の隠し子で

貴族の血が流れているから・・・」

という感じのことを言っていました。

 

役があるなら、色々な可能性や

設定を考えて、その視点で踊ってみたら

良い練習になりますし、

役がなくても、今日は元気な人!とか

今日は優しい人!とか大まかにでも

視点を変えて踊ってみることで

全然違う新しい情報が入ってくるはずです。

 

踊りごとに色々な視点を取り入れてみて、

最終的に自分がしっくりくる

組み合わせで踊ったら、

ただ一般的な表現でなく

表現自体に個性が確立されます。

 

 

これってかなり表現力の強化になるので、

別にプロじゃ無いし技術が...と思って

もやってみたら良いんです。

 

二度目ですが、

結局、人を感動させられるのって、

すごい技術より、表現力です!

 

 

”パラダイムシフトをしてみる”

っていう視点でバレエのレッスンを受けることが、

表現力強化月間の第3弾です!

 

 

休暇+パラダイムシフトの一環として、

来月、近くの島に数日行ってきます!

そして”Tiny House” で生活してきます。

日本でもタイニーハウスって

少しずつ出てきているようですが、

文字通り、めちゃくちゃ小さい家のことです。笑

私が泊まるのは、3m×3mくらいの

6畳一軒らしいです。

一本道を入った森の中、

シャワーも数分しかお湯が出ないらしいし

家の中で踊るスペースも無さそうだし...。

でも少し不便な中での生活、楽しみでもあります。

 

Tiny House生活もまた記事にしますね! 

大人バレエ上達を阻むDNA

こんにちは。大人のバレエ上達サポーター、きよかです。

時差ぼけでグダグダになっている

頭と体をリセットしようと、

昨夜、急に思い立って

コンサートに行ってきました。

 

前回紹介した、異次元ワークですが、

それに続いて、

今回は一見簡単だけれど、

DNAに組み込まれた機能のおかげで

多くの人が脱落してしまう

大人バレエ上達法について紹介していきます。

 

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「踊りたくないなら辞めなさい」

日本では美徳とされていることですが

出来ているのに、遠慮して

一瞬のためらいで周りに押されたり

更には自分に押されて、

出来るのに本来の力を

発揮出来ない状態、

つまりブレーキがかかった状態

になっている大人バレリーナをよく見ます。

 

でもバレエでは、

例えば控えめな性格も、

控えめだという演技をがっつりした上で

控えめに見えます。

言葉で説明できないので、

控えめだからといって、

ためらいながら動いていると、

見ている人からは、何をやっているのか

全く分からないばかりか、

最悪、踊りたくないのかな、

怒ってるのかなって思われます。

 

私も小さい頃、

「踊りたくないなら辞めなさい」

と何度言われたことか。

 

いや、踊りたいんですよ!

でもちょっとした心のブレーキで

正反対に受け取られてしまい、

上達もそこで足踏み状態が続いていました。

 

 

このブレーキがなかなか人間には厄介で

なぜかというと、人類発展の歴史の中で、

危険から命を守るため、

新しいこと、リスクのあることに対して

潜在意識で猛反発されるように

DNA自体に組み込まれているからです。

 

これを"ホメオスタシス"と言うのですが、

頭では変わりたいと思っているのに

本能レベルでは現状維持を望んでいる、

2つの力の中間に私たちはいるわけです。


これをどう突破するかが難しくて、

そこで脱落者続出、

結局本来の力を発揮できないって

ことに多くの場合なってしまいます。 


でも今の自分を何らかの形で変えないと

現状は変わらないので、

上達したいなら、

ホメオスタシス突破しかありません。

 

大人バレエ人生を変えるルール 

バレエをしている人って

基本、普通の人より頑張れると思うので

ホメオスタシス突破のために

無条件のルールを決めるのが

私たちには一番確実で

手っ取り早いかなと思っています。

 

冒頭で、昨夜コンサートに行ってきたと

言いましたが、それもこの一つで、

 

地球を東回りした時の時差ってキツいんです。

昼夜逆転して、常時疲れて

すっきりしない感が続きます。

昨夜もそんな感じだったのですが、

ふと、急にコンサートに

行ってみることを思い立って、

でも開演まで後1時間しか

ないことに気づいて、

疲れているのでやめようと思って、

でも時差のグダグダを

どうにかしようと思って…

 

なので好きなエリアの席が残っていたら行こう!

とルールを決めてサイトをチェックしたら、

まぁそういう時って

ギリギリ残ってるんですよね。笑

開演まで1時間ですが

ルールはルール、決めたので行きます!

5分でシャワーを浴びて、

電車に飛び乗って、

急な予定変更に

慌ただしく向かった劇場ですが、

薄暗くてこぢんまりした劇場に似合わず

私はとても清々しく達成感で一杯です。

この劇場、規模こそ小さいけれど

何だか落ち着くので、嫌いになれません。

 

 

サッと気持ちを切り替えて

ホメオスタシスを押し込んで

新しい選択肢を選んでちょっと行動してみる

っていうのは、人間を変えてくれます。

 

最初はルールを決めて動いてみると

何となく上達を阻む

壁が壊れていく感覚が掴めて

慣れてきたら楽しいです。

 

 

ホメオスタシスが、

なぜそんなに強烈なのかと言うと、

一つのことを変えたら、

全体も変わるからです。

その大きな変化は人類の発展上、

危険なので絶対に回避すべきもの

だったんですね。

危険を回避してきた種が

生き残ったと言う方が正確ですが。

 

コンサートに行く、行かないの

選択肢が、バレエも含めた

その後の生活全体を変えるって感じです。

おかげで、丁度良く疲れて

リラックスもして

普通の時間に眠りにつけました。

これならバレエのレッスンでも

時差に負けません。

 

 

少し思い切って、

ホメオスタシスに挑戦してみる、

新しい選択肢を選んでみる練習をするのって

前述の通り、全体の変化に繋がるので

大人バレエが上達するだけでなく、

人生の幅も広げてくれます。

 

  

バレエでスランプの時って、

日常生活を変えてみたら、

また上手いことエネルギーが

回り出してくれたりするものです。

 

コンサートの休憩時間、

急ぎすぎて、そこら辺にあった

ジーンズで来ちゃってることに気づいて

若干ばつの悪い思いをしましたが

時差のグダグダから抜けられたので

気にしません!笑

「自分の踊り」を習得する方法

こんにちは。大人のバレエ上達サポーター、きよかです。

一時帰国中、歌舞伎を

毎日のように観に行きました。

いつもはバレエなのですが、

今回の帰国中は丁度何もなくて。

 

とは言っても、歌舞伎については

全く詳しくないのですが、

何故か好きなんですよね。

 

 

歌舞伎は400年程の

歴史があって、

バレエの起源はそれより

更に100年近く前です。

 

国は違いますが、

伝統的に受け継がれてきた文化、

共通していることが

沢山あるなと感じました。

 

今日は歌舞伎を交えて

大人バレエで

自分の踊りを習得する方法について

お伝えしていきます。

 

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日本の大人バレエの長所

銀座の街に突如現れる歌舞伎座には

何故か心躍るものがあります。

 

着物姿の方の見事な帯を見ながら

後に続いて中に入ると、

鳳凰の刺繍された絨毯や

座席が出迎えてくれます。

 

日本を離れて余計に

日本の良さが心に沁みるのか、

ディズニーランドの世界観に

ワクワクする人がいるように、 

私にとって歌舞伎座は

ディズニーランドの感覚に近いです。

 

私が普段住んでいるカナダは

去年建国150周年を迎えたばかりで

一代で何かを成し遂げる

力は強大ですが

何かを後世まで遺していく

となると、歴史が浅く、

文化もまだそれ程発展していない分、

とたんに弱いです。

 

 

そういう点でも、伝統文化の

素晴らしさは一層感じますし、

そして日本人って歴史あるバレエと

相性が良いなと思います。

 

 

大人バレエも、国によって

長所と短所があって、

北米や、この間訪れた

シンガポールの踊りは、

思い切りは良い分、

少し雑だったりするのですが、

日本ではその点、じっくり丁寧に

向き合う方が多くて、

自覚はないかもしれませんが、

他の国と比べたら、

コツコツ積み上げていくのが

非常に得意な民族だと思います。

 

北米の人って特に、

慣れない長い歴史や

バレエの決まり事に「面倒くさ~。」

ってなっちゃう感じです。

歴史あることが当たり前でなかったら

確かに面倒くさいですよね。

まぁその分を身体条件の良さで

カバーしているのですが。

 

日本の大人バレリーナは

バレエの伝統や歴史の

価値を知っている中で、

その長所である丁寧さを

更に極めてみた暁には

他の国の大人バレリーナとは

異次元の踊りが出来ると確信しています。

 

大人バレエの異次元ワーク

私がよくやっていたのは、

パラパラ漫画みたいに

それこそ一コマ一コマ、

一瞬一瞬、動く度の、

顔の位置とか手足の出し方とかを

研究しまくることです。

 

この踊りは、こういう場面で、

この一瞬はこういう気持ちだから

体の向きは1cm

こっちの方が良いよね、とか、

ここは0.5秒動きを

遅らせた方が良いよねとか、

自分で想像しつつ、

色々なダンサーの踊りを研究しては

実験して反省して、

そこに感情を乗せてみて

また実験して、って

結構エンドレスな作業をしていました。

 

一種、職人みたいなこだわりというか

めちゃくちゃ細かいニュアンスまで

一瞬一瞬のポーズと感情をリンクさせて

 

作り込んでいっていました。

 

自己満足の部分も大分あるかと思いますが、

実験と反省を繰り返して、

一時期打ち込む、突き詰めることって、

それこそが自分の踊りの基礎になります。

自分の歴史とか文化を派生させる感じです。

もちろんバレエのルールは守った上でですが。

 

この、どこまで派生させるか、

っていう感覚が基本を忘れると

それが雑さにも繋がるのですが、

手を抜く方向に派生させなかったら

私たちは大丈夫でしょう。

 

 

5月の歌舞伎は夜の部で、

7代目、丑之助くんが

出演していました。

小さい子が出ているな

と思って後で調べたら、

なんと5歳だったみたいです。

5歳で舞台に立って、

完璧にお芝居をするなんて

丑之助くんは日本人の中でも特別ですが、

日本人の背負うものの重さって

計り知れません。

 

厳しい伝統を当たり前として継承されてきた

歌舞伎やバレエって強いですね。

そしてそんな伝統文化がある国の人間も強いです。

普通は心が折れて辞めちゃいますもん。

 

 

伝統文化を進化させて継承していく、

これこそ日本人の、

日本の大人バレエの強みだなと

歌舞伎を観ていて再確認しました。

 

シンガポールで大人バレエクラス

こんにちは。大人のバレエ上達サポーター、きよかです。

今回の一時帰国中

少しシンガポールにも

足を運んできて、

そこで大人バレエのオープンクラスを

取ってきたので紹介していきます。

 

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SDTの受付エリア

 

シンガポールダンスシアターのクラス

調べてみると、シンガポールで

大人バレエのオープンクラスが

出来るスタジオは

数カ所あるようでした。

今回は一番クラス数の多かった

シンガポールダンスシアター

に行ってみました。

 

シンガポールダンスシアター、

通称SDTは、シンガポールのバレエ団で、

大人の初心者向けの

オープンクラスもやっています。

ダウンタウンのラッフルズホテルや

アラブストリートの近くの

Bugis+というモールの

一角にありました。

 

モールに着くと早速

シニヨンにレオタード姿という

どう見てもSDTに来ている

大人バレリーナ達をちらほら見かけました。

さすがシンガポール!な光景です。

7階のスタジオまで

後をつけていったので

難なく到着できました。笑

 

 

クラスは1回90分で

25シンガポールドルでした。

ビギナー2の中初級に行ってみましたが

ビギナー2とは名ばかりで

中初級者には結構な難題だと

思われるクラス構成です。

クラス内容自体は

ビギナー向けと思っていた分

余計にですが、沢山動けて

楽しかったです!

でもビギナー向きではないかな。

近々もし行く機会がありましたら

参考までに、ビギナー2は

中級者って感じです。

 

大人バレエと性格

複数の言語を話す人って

言語によって性格が変わると

言われますが、

私もそれは実感していて

日本にいる時と、カナダにいる時と

性格が変わるのを実感します。

その国々で生きやすい性格があるので、

それに自分を順応させていく感じです。

それぞれの性格の狭間にいる時が

カルチャーショック期間中です。

 

踊りって人となりが出るものですが

面白いことに、日本にいる時と

カナダにいる時では

性格がちょっと違う分、

踊りも若干変わります。

シンガポールにいる時もそうでした。

 

 

シンガポールという国は

様々な人種や宗教の人々が

集まってできているので

公用語は英語です。

しかし家族やコミュニティ内では

中国語や、ヒンディー語を

話していることが多く、

シンガポールの英語は

シンガポールイングリッシュ

と呼ばれています。

文法云々というより

伝わればOKな英語です。

 

語学って伝える手段であって、

語学をマスターすること自体が

ゴールではないと思っているので、

シンガポールイングリッシュ

には共感します。

そしてこれは、大人バレエにも

共通しているなぁと思うんです。

 

大人バレエって技を習得云々ではなく、

(勿論技の集中習得も必要ですが。)

自分が習得できる範囲の技を使って

どう表現できるか、の方が、

最終的に芸術家としては

重要だよなぁと感じます。

 

シンガポール人の大人バレエ

シンガポールイングリッシュ

を話すシンガポール人は

本当に皆、たくましく

生きる力に溢れていました。

力強い作品を踊らせたら

ピカイチだと思います。

 

そういう性格や精神性が

踊りにも反映されています。

ビギナー2という全然

ビギナー向けじゃないクラスでも

皆とにかく動いてみて汗を流してみて

食らい付いていく感じが凄いです。

 

日本だったら生徒がいなくなるか

先生がクラス内容変えるかですが、

SDTの先生は、みんなの熱に押されて

難しいクラス構成になったのでしょう。

 

 

それも含めて言語を学ぶって、

大人バレエで表現方法を増やす

一つのアプローチであるんです。

 

ラッキーなことに

伝える手段の語学って

日本で学びやすいと思います。

昨夜もテレビで

フランス語講座をしていたので

ちょっと参加してみましたが、

日本には語学に関心があったり

危機感さえ覚えている人が

多い印象を受けます。

本屋さんにもテキストが

いっぱいありますし

テレビでも様々な言語の

講座が放映されています。

 

英語圏の人って、

「英語が世界の共通語なんだ!

みんな学べ!」

って感じが大半なので、

そもそも語学は興味がある人

だけのものですが、

日本では語学は必須に

なっているので、

学び始める環境は整っています。

  

「伝える手段の語学」

を学ぶと言うことで

かじってみるだけでも、

バレエの面でも

色々幅が広がりますよ。

 

日本の教育を経たら

どうしても完璧を

追求してしまいがちですが、

シンガポールイングリッシュの

伝われば良い!というノリで

語学を学んでみるのも

大人バレエ上達の方法として

存在します。

 

  

初心者のクラスから、

国が違えばこんなにも

個性豊かなんだと 

大人バレエの可能性を再発見した、

シンガポールのオープンクラスでした。