大人のバレエ上達倶楽部

基礎から変わる大人バレエコミュニティ

音楽性の優れた踊りにならないワケ

こんにちは。

大人のバレエ上達サポーター、きよかです。

音楽とバレエは切っても切り離せませんよね。

バレエの芸術性を高める点で

よく言われることに、

踊りと音楽は共鳴していなければいけない

ということがあります。

踊りは音楽が具現化したものということですね。

つまり踊りとは”見える音楽”なんです。

 

そんな踊りと繋がりの深い音楽ですが、

ある一つの概念を間違えると

何となく変てこな踊りになってしまいます。

今回紹介する考え方を頭に入れておくと

踊りの崩し方も含め、踊りと音楽を共鳴させる

方法も分かってきます。

 

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音楽性を作る2つの要素

大人バレエで、機械的な踊り

になってしまったり

センターで自分の番のタイミングが

分からないっていう、

リズム感に関する相談をたまに受けます。

色々な要素があるのですが、

以前習っていたピアノの先生から

リズムと拍子の概念について

教えてもらったことがあります。

 

拍子とリズムって本来別ものなのですが、

特にリズムって多用されているので

この2つの違いは曖昧ですよね。

今回違いをはっきりさせておくと

リズム感の悩みのなぞも解けますし

後々、明確な意思を持っての

表現もしやすくなります。

 

 

 

そもそも、リズムというのは

ギリシャ語で”流れる”という意味で、

私たちの日常生活の中でも

とても非常に広い意味で使われています。

 

例えば、音楽や踊りの中でのリズムから、

生活のリズムとも使うように

リズムとは、広い意味での

「流れ」を表しているんですね。

 

 

このリズムとよく混同されるものに

拍子があります。

拍子とは、3拍子のワルツや、

2拍子、4拍子のタンゴのように

厳格に決められた時間単位のことです。

4拍子のワルツは存在しません。

 

そして無拍子、

つまり決まった拍子の無い音楽

(特に現代音楽や東洋やアフリカの民族音楽)

も存在しますが、

無リズムの音楽は存在しません。

リズムとは、流れのことなので、

無拍子であれ、音が流れている

ということは、必ずリズムがあるんです。

 

拍子=規則的なカウント

リズム=流れ 

 

機械的な踊りの音楽性を高めるには?

ちょっとややこしいかもしれませんが、

大人バレエで踊りを”見える音楽”にするために

簡潔に何をするべきかというと、

「拍子は変えずに、リズムをアレンジしていく」

という作業です。

 

イメージ的に、拍子が顔の輪郭だとしたら、

リズムは目や口などのパーツみたいな感じで、

決まった輪郭の中の目や口に表情をつけて

踊りにアレンジを加えていく作業が

リズム感や音楽性として目に見えます。

 

 

リズム感が無いとか

音の取り方が分からないと

相談に来られる大人バレリーナがいますが、

大体の場合、このリズムと拍子を

混同してしまっていて

それが悩みに繋がっています。

 

例えば、いつの間にか

自分で拍子を変えてしまっていて

ワルツがワルツでなくなっていたり、

他にも、小さい子にありがちな、

”1・2・3”って機械的な動きになって

リズム感がなくなったりしてしまいます。

 

前者は拍子を変えると同時に

リズムも崩壊してしまっていて

リズム感がなくなるし、

後者のように拍子とリズムを一緒にすると

この場合もリズムの流れ的要素が崩壊しているので、

リズム感がなく見えてしまいます。

 

 

拍子は変えず、無視せず、

でも拍子につられ過ぎず、

リズム=流れを作っていきます。

輪唱するみたいな感じに少し近いかもしれません。

元となる音を聞きながら、

そこに上手い具合に被せていきます。

元の音を聞かずに好き勝手に歌っても

元の音と一緒に歌ってしまっても

美しくないんです。

 

 

そして、センターでグループごとに踊る時

どこで入ったら良いか分からなくなる

って悩みもたまに聞きますが、

これは、拍子の方を取りさえすれば大丈夫です。

ほとんどの場合、分からなくなるのは

前のグループのリズムに惑わされているからです。

 

 

リズムと違って、

拍子は決まった時間単位なので

数えていれば、いつも同じです。

12カウントの振りが、

急に7カウントになったり

15カウントになったりはしないので、

リズムに惑わされず、

ただ拍子を取って数えてみると

どこから自分の番なのか分かります。

 

 

 

踊りの中の拍子やリズムって

感覚的なものなので、

文字にすると少しややこしく聞こえますが、

拍子とリズムの違いを

自分で説明できるだけでも

少し変化球の6拍子とかがきても

戸惑うことが少なくなりますし

なにより踊りを、見える音楽へと

昇華させやすくなります。