大人のバレエ上達倶楽部

基礎から変わる大人バレエコミュニティ

ローザンヌ講師の個人レッスンと大人バレエの共通点

こんにちは。大人のバレエ上達サポーター、きよかです。

今年もローザンヌ国際バレエコンクール、素晴らしかったですね。

日本人は3人が入賞、おめでとうございます!

ところで、3人共、海外バレエ留学中ですね。

私もカナダでバレエのクラスを取ったり、

教えたりしていて体感することなのですが、

これから世界で活躍するバレエダンサーになろうと思ったら、

やはり日本を出てトレーニングを受けることが必要だと思います。

実は、これは大人からバレエを始めた方にも言えるんです!

ロダンサーになるわけではなくとも、

旅行中など、海外のオープンクラスに行ってみることで、

今までにない注意をもらえたり、身体条件の良い外国人に混ざってみたり…

実際にクラスを体験してみることで、良い刺激になり、かなり視野が広がります。

言葉が分からなくても、バレエ用語自体は大体共通しているので、

皆の様子を見るだけで、意外とついていけます。

海外にも、大人の初心者クラスがありますから、

機会があれば、一度レッスンを受けてみることをオススメします。

また海外でのレッスンの受け方も記事にしていきますね。

 

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プライベートレッスン後にM先生からもらったメモ

 

さて、タイトルにもありましたように、

数年前まで私は、ローザンヌ国際バレエコンクールで講師をしていた、

M先生にプライベートレッスンをしてもらっていました。

(ご厚意でレッスンして下さっていたので、名前は公には伏せていますm(_ _)m)

これは私が教える側になってから、初めてのプライベートレッスンでした。

今は振付家として世界中のバレエ団から引っ張りだこで忙しくしておられます。

M先生のプライベートレッスンを通して学んだことが

大人のバレエ初心者の方々にも、とても大切だと感じたのでシェアします。
 

その時の課題として練習していたのは、La Cigarette のバリエーション。

(La Cigarette アニエス・ルテステュ バージョン)

少しマイナーな作品なのですが、とても優雅で美しいです。

約3分もある、長いバリエーションなので、

私のスタミナを鍛えるにはぴったりの作品でした。

 

La Cigaretteは、始終コントロールを求められるバリエーションなので、

3分踊り続けた最後の方になってくると、

スタミナのない私は、疲労で段々肺まで痛くなってくるんです。

そうすると、ある気持ちが湧いてきます。

「もう私はプロを目指しているわけではないし、体力がないから…」

自分が教える側になったために、学びにブレーキをかけてしまうというか、

言い訳を見つけては、学びを止め、自分の完成形なのだと捉えていました。

その度に、M先生は真っ直ぐ私を見つめて、

自分を信じることを続けなさいと仰いました。

 

今年のローザンヌのクラスで、若いダンサー達に

エリザベス・プラテルと、ジリアン・マーフィーが言っていた

ある言葉が、とても印象に残りました。

それはM先生も、私が師事している他の先生方も、

皆が共通して伝えて下さっていたことです。

 

 ”Learn to learn.”

「学ぶことを学びなさい。」

 

 

ローザンヌに出場していた若いダンサー達が何を感じたか分かりませんが、

大人になって、バレエ教師でもある今、私がこの言葉を聞いて思い出したのは、

ソクラテスの「無知の知」です。 

長年バレエに携わってきて多少の知識があるので、自分が教わる側になった時、

「それは違うなぁ」「もう知ってるなぁ」「でも出来ないんだよなぁ」 とか、

一見学んでいると思っても、今までの経験から心にフィルターを作ってしまい

本当の意味では素直に学べていなかった場面もありました。

確かに、よくよく考えてみても違うと思うこともあるのですが、

そういう場合は、必ず別の角度から学べることがあります。

  

私が大人のバレエ初心者の方達を教え始めて気づいたことですが、

上達の障害が、心のフィルターであることが結構多いのです。

バレエでは初心者でも、今までの人生の積み重ねがある分、

上達の障害となってしまう、心のフィルターを通してレッスンを受けてしまいます。

そして、それに気づいた時から、皆さん急に上手くなっていくのです。

(でも決して無理なことや危険なことをしろというわけではありませんよ!笑)

 

大人こそ、素直な気持ちで、心のブレーキをかけずに

学びを重ねていくことを生涯続けていくのが、

ダンサーとしても、人としても成長し続けられる唯一の方法だったなと、

ローザンヌ出場者達の爽やかな踊りも相まって、

また新鮮な気持ちにしてもらえました!

 

今年のローザンヌを通して、私も学び続け、進化し続け、

大人のバレエ初心者の方々も進化させ続けようと再確認しました。