大人のバレエ上達倶楽部

基礎から変わる大人バレエコミュニティ

心に響く大人バレエのポイント

こんにちは。

大人のバレエ上達サポーター、きよかです。

夏休み中は、いつもは学校がある

子供達とのレッスンもしています。

今年はバレエ学校に合格した子達で

秋からは親元を離れ寮での生活です。

 

大人バレリーナ達は、

そんな子供達のクラスを見て

更にやる気をもらっているようで、

いつもより、踊りが生き生きしています。

子供達も、そんな大人クラスを見て

お互いに刺激を受け合っているようです。

 

今日は古今東西、有名なアート作品が

なぜ心に響くのか、そして大人バレエには

どうやって生かせるのかについて

お話ししていきます。

 

f:id:kiyoka-honami:20190810062715j:image

 

8月は原爆の日や終戦記念日があり

戦争のことをよく思うのですが、

自分が生きているのではなく、

生かされていることを再確認させられます。

 

この間日本から訪ねてきた友人から

アメリカと戦争をした事実を知らない

若者が増えているという話しも聞きました。

 

 

 

「踊り子」で有名なドガが遺した言葉に、

”Art is not what you see, but what you make others see.”

というものがあります。

アートは自分で創るのでなく、人にどう見せるかであり、

見せるというのは、人にまず視覚的に

見てもらうところから始まり、

その作品に共感してもらう、

心を動してもらうことに繋がります。

 

絵画に限らず、バレエでも、音楽でも

感動するアートって、

絶対にこの段階が踏まれています。

 

 

日本のテレビチャンネルで

広島の原爆資料館がリニューアルされ、

歴史の一つとして埋もれつつある原爆に

より共感してもらう展示になったことを知りました。

 

昔の誰かの体験、ではなく

自分の体験と同じように共感してもらうため

被爆者のストーリーを伝える展示になった

そうなのです。

 

 

これは、一見別の話のようで

バレエもその通りだと思ったのですが、

普段のレッスンで表現力って

なかなか練習できませんが、

それって、背景にストーリーが無いからでもあります。

例えば、白鳥の湖の誰役って

決まっていたら感情移入できますが、

普段のアンシェヌマンだけでは、

難しいですよね。

(そうではない生徒さんもいますが。)

 

クラスでは踊りや、パ自体の

コンセプトを伝えるようにしていて、

具体的な役がなくても

コンセプトを決めて感情を乗せてみると

普段のレッスンでも、

「表現するってこんな感じか~」

ってイメージが掴んだりできます。

 

 

 

なのですが、感情って振れ幅が大きくて、

どっと疲れたり、反対にとても幸せになったり

自分が入り込めるのは良いのですが、

ドガが言ったように、

それだけだとアートとしての完成度は

あまり高くありません。

 

顔を押さえて震えている人を

周りから見ると、

泣いているのか、笑っているのか、

よく分からないように

感情だけだと、ズレが生じてしまいます。

 

 

感情はとても大切なのですが、

それと同じくらい、理性的に

見せることを考える冷静さ、

これが感情をより際立たせるために必要です。

 

ホラー映画も、ただひたすら怖いシーンだけじゃなくて、

怖いポイントを際立たせるために、

怖くないシーンもありますよね。

 

 

非常に単純ですが、バランスが大切なんです。

 

 

特にバランス感覚がその良い例で、

軸に向かって、引き上げる力と、床を押す力

反対の力同士がバランスを取ると

本当に”バランス”として物理的に

見える現象になります。

 

 

冒頭でお話しした

大人のクラスと、子供のクラス、

お互いが刺激を受け合えるのも

やっぱりそういうバランスを

取って補えるからだと思います。